【これも、コピーライターの視点_101】


<コピーライターの挑戦>

週末の長いポスト。盛岡は、土木計画学会でした。コピーライターとして「コピーライターの対極的視座から見た『土木』の論考」というタイトルの研究を発表させていただきました。共著者である指導教授と助教の先生の助けを借りながら、コピーライターの思考法/発想法を3つに整理したうえで、土木の発展にコピーライターはいかに貢献できるかというチャレンジングな内容です。セッションで有益なコメントや質疑をいただき、コピーライターが土木の専門家の前で何とか小さな一歩を踏み出せたのではないかと思っています。

理論と実践。これがわたしの仕事のスタイルです。実践では、突然取って付けたような言葉を企業に提案しても、その効果は限定的であるという経験則から、コピーライターの発想や思考から企業の方と二人三脚するスタイルをここ5年ほど実験していますが、それが他に真似できないのは、軸となる言葉を開発し提案するというプロセスが含まれているからです。一見、他のコンサルにできそうでできないのは、やはりコピーライターとしての思考と表現の部分。

旧来からの新聞やポスター、テレビCMなどの言葉を開発するコピーライターの仕事は突然無くなることはありませんが、それだけでは、効果が限定的な時代。その効果を最大にすることは、企業がコピーライターを指名する最大の理由になります。コピーライターの仕事の領域の変容や可能性の広がりを模索して、こちらも約5年が経ちました。学問的に認められるには、査読付きの論文や博士号というものが、一つのステージになります。

学会の会合で、委員会の委員長が、次のように言っておられました。「土木の専門家が他の領域において活躍している時代であり、逆も同様で、まったく土木の専門家ではない人が、土木に自分の専門の力で貢献をしようとしている時代だ」と。わたしは後者。専門外の方々にコピーライターの思考法や発想法を明示することは、自分自身にとっても良い勉強となりました。論文は、本日のセッションでいただいたコメントや質疑を加えて質を高めたいと思います。実践において、得意先の企業において、その知を還元していきたいと思います。週明けからは高松。とりあえず、長い帰路につきます。


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