【これも、コピーライターの視点_107】


<型破りの挑戦>

これが、わたしの40代のテーマです。31歳のときに宣伝会議賞をいただき、コピーライターとしてデビュー。その後、仕事や仲間に恵まれ、朝日広告賞をはじめとする広告賞やコピー賞を6ついただき、賞に対する執着はいったん無くなりました。それは、コピーライターとして旧来からの型にはまったことを意味します。次は、それを壊すのです。「これも、コピーライターの仕事か!」というあたらしい領域の広がりや可能性を自ら切り開こうとしているのがイマです。

それも、理論と実践。理論は、先週も書いたように、コピーライターの思考を体系化して、他の専門領域に貢献できるということ。成果は論文にて発表。先日は土木分野でしたが、今日は、教育フォーラムの座談会の司会を仰せつかっており、教育の専門家と交わってきます。実践は、その理論を得意先の企業に応用して、コピーライターの英知が具体的な企業の業績向上に資することを実証していくこと。そこには、「実効性」が求められています。言葉は概念。企業は概念では飯を食えませんが、拠り所となる概念が「企業活動の4領域」に展開できなくては事業存立が難しい時代。言葉という抽象を、企業活動の具体に展開することが、企業におけるわたしの役割です。

このような動きが、40代のテーマとなりそうです。40代後半から50代にかけては、人を育てることを加え、得意先の企業を伸ばしながら、わたし以外の意識の高い若者にノウハウを授けながら、型破りなコピーライターを育てたいと思っています。自分の考えやノウハウという遺伝子をくさびのように、意識の高い若者に授けていこうと思います。毎週水曜の夜に開いているOSアカデミアという国語・現代文の単科塾は、その子ども版。論理的に読み書きできる力を授けています。

いく度か書いたことがありますが、コピーライターは、経済成長期の資本家の提灯持ちでした。その提灯を外(市場)に向けて照らしておけばよかったものが、いまや企業内部こそ灯りが必要な時代。成長が鈍化したときに、企業組織はその拠り所を失っている状態だからです。社員一人ひとりで言うと、自信や見通しの確かさを失っている状態です。そこに、言葉の仕事は貢献することができる。それが、わたしの仮説であり、現在の得意先で実証しているところです。企業は100社、育てる人は100人。ここまではわたしの命があるときにできる仕事ではないかと思っています。



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