【これも、コピーライターの視点_112】

<言葉が欲しい?!>

週末の長いポスト。「言葉をください」という依頼は、全体の半分くらい。理念をつくりたいとか、ネーミングの希望とか、そういうことが「言葉が欲しい」という依頼。もう半分は、結果として言葉が必要になったというもの。「他社との違いを鮮明にして、自社の市場を獲得したい」「社長のイエスマンではない社員の主体的な働きぶりを期待したい」。こういう願いが、結果として言葉を生み出させることになります。

「言葉と経営」という本を出して、多くの方は、それを読んでご連絡をいただくことも増えました。経営に言葉は必須であり、効率性の追求だけでは勝てない時代に、いかに競合他社と違いを鮮明にして、独自性を打ち立てるのか、つまり模倣困難性の追求に言葉は必要不可欠なものだということです。

市場に対する言葉だけでは十分ではありません。いまや、社内に対する求心となる言葉や考え方が必須。先に書いた「効率性」の追求の時代は、トップに従順な社員が重宝しましたが、いまやトップさえ方向性を迷う時代。社員一人ひとりの「知」をもって、それを一つの方向へとゆるやかに導くことができなければ、経営は困難。その過程は、誰一人として無視をせず、数の論理ではなく、どんなに少数の小さな声も大切にする姿勢が求められます。

効率性の追求が一つの踊り場にある時代にあって、企業は、学習の場でもなければ有効に機能しないように思われます。学びの文化がそこにあるのか。それが大事なこと。学びは、8割方は言葉。残りはビジュアルや図表でしょうが、それとて、解釈は言葉。精度の悪い曖昧な言葉では、学びはぼんやりとしてしまいます。社内の「共通言語」を持ち、思考の過程を開示していくことで、曖昧さは薄れていきます。コピーライターとしてわたしがクライアントに提供しているのは、こんなことです。コピーライターかコンサルか、ということですが、そんな枠組みも、もはや過去のものになるのでしょう。


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