【これも、コピーライターの視点_136】
<新しい時代の新しいやり方>
週末のポスト。わたしは、未来は「不確かだ」という仮説を持っています。逆の「確か」とは、先に成功した誰かの模倣をすれば、自分も成功できるという未来。不確かさとは、何が起こるかわからないし、それゆえ、先行者の後を模倣して歩いたのでは、どうにもならない状態だと考えています。
コピーライターとして企業の支援をするということは、その不確かな未来にあっても、未来の確かさを、言葉を軸に築いていくこと。その軸には、市場からの共感を得るだけではいけません。上意下達の時代、つまり、トップの指揮命令が唯一解として全社員右へ倣えすることで、効率よく業績が上がった時代は過去のもの(業種にもよるかもしれません)。全社員が、自ら思考し、判断でき、表現できることが企業の模倣困難性を高める時代にあっては、経営の言葉は社員からの共感も得られ、求心力となることが大事。
広告というものの依頼が絶えないことを見ると、それはそれで、これからもなくなる領域ではないのだと思います。少なくともわたしが生きているうちは、ずっとあると思われます。それは、市場に向けた言葉の開発。「確かな未来」の時代にはそれでも良かったのでしょうが、「不確かな未来」においては、その言葉は市場に向けるだけでなく、社内に対しても求心力となることが大事だと考えています。
それは、言葉を社員が自ら思考し、判断でき、表現し、企業の模倣困難性を高めることに活用するのが合理的だということ。合理的とは、不確かな未来を切り拓く力になり得るということです。ですから、コピーライターと企業のかかわり方をCONERIは変えていっています。広告の言葉が「表現の結果」であれば、その開発の過程から二人三脚し、思考のプロセスを共有しています。その思考とは、デザイン思考。言葉が、社員の生き方やあり方に働きかけ、新商品の開発や営業展開、広告・広報にも一つの拠り所となる言葉です。