広告考07
広告業界は、オリエンテーションというものから始まる慣習があります。広告屋が呼ばれ、企業内で話し合われたこと(こんなねらいで、こんな広告を打ちたいなど)の報告を受け、いくつかの質問がかわされた後日、「ご提案ができました」とプレゼンに行き・・・みたいなものです。この「ある日突然呼ばれた」ところで、何がわかるわけでもない。これがわたしが長らく感じていたことです。外部の眼はたしかに意味のあるものですが、それが内部にある程度精通した眼であればこそ、本質的な提案ができるのではないか。そこでCONERIがとっているスタイルは、最低1年を基本とした毎月の顧問制です。コミュニケーション戦略を一緒に考えるなかで、表現の必要がある事案に対して、別途制作をかける。「こうしたい!」「こうなりたい!」という経営者や企業幹部の熱い思いを文脈として共有し、夢を語る社長のそばで、言葉の体温と重みを感じるからこそ、核心をついた表現ができる。企業経営者と二人三脚をするスタイルは、これからも貫く価値のあるものだと思っています。コピーライターと企業がそうであるように、あらゆる業界で関係性の再構築が急務な時代であるように感じています。
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