詩的想像力

今朝の朝日新聞の「折々のことば」(鷲田誠一)は、オルテガ・イ・ガセットの言葉。
「国家は、成員に共通した一つの過去をもつ前に、その共通性を創造しなければならない。」それに先立ち共通性を「夢み、欲し、計画せねばならない」と続く。国家とは出生を異にする諸々の集団がその共存をめざして立てる協同のプログラムだ。だから、その存続には詩的想像力が必要だと、「大衆の反逆」(神吉敬三訳)から紹介。

国家を企業に変えても言えることだと思う。その存続には詩的想像力が必要とは、言葉で構想し、語り、伝え、広げ、刻み、更新しつつ、共感の輪を広げていく営みだと理解しました。もちろん言葉だけではなく、ビジュアルやフォトグラフであることもあると思う。しかし、緻密に正確にとなれば、言葉の助けは必要だろう。

出生や過去の違う人たちが、いっときでも同じ夢を見て、同じ言葉を握りしめて、日々の時間をともに過ごす。チームとか組織とか、その意味で稀有だし素敵だなと思う。それが広くは国家となれば、この世で同じ時を過ごせる私たちもまた、素晴らしい存在だなあと思うのです。言葉から存在のありがたさを思う朝。