地域も学校2023
「地域も学校」を太田地区が受け入れてくれて、実施できるようになって10年くらいが経ちました。コロナ禍でおやすみした3年間を経て、再開するかどうかメンバーの皆さん(太田地区の60代70代の方々)と話し合った結果、僕はもう潮時だと思っていたのですが、皆さんの「やりたい!」との気持ちに推され、今年度も開校となりました。
これは、亡き師匠・柴田さんの掛け声から始まった(勝手に)香川県の健康運動「めざせ、超10(チョージュ)!」、香川県の健康寿命で、全国10位以内を目指そう!という取り組みの柱として、「生き甲斐こそ、長寿(超10)の秘訣!」という着想から始まったプロジェクトでした。地域の人(シニア)に力点があったのですが、そのシニアの皆さんの子どもへの気持ちが熱く、再開か解散かの話し合いの時には、「コロナ禍で人との関わりが減った今こそ、『地域も学校』のような取り組みが求められている!」「子どもたちは待っている!」との声が聞かれ、子どもの気持ちや成長がシニアの生き甲斐となっていると実感して、嬉しく思いました。当初の一つの思いは結実したと感じました。
その翌日は、太田小学校の学校運営委員会に出席。そこで、学校教育には関心があるが、教員にはならない、教職課程の申し込みをしないと決めた大学3回生のある日の夕刻、教務課の前で決心したシーンをピンポイントで思い出していました。ゼミの指導教官が企業を定年退職されたのちに教授になられていたこともあり、学校以外の世界を見聞された人が学校と関わることの良さみたいなものを感じていました。実社会で通用した人の発言には、机上の空論という感じがなく、熱心に講義に耳を傾けていた記憶があります。
学校以外で社会人経験を積んだ人が学校に関わる。その良さの一つは、学校では教えない価値観で子どもを見てとり、接することができることだと考えています。規律・規範を守らせるといういわゆる社会化ではなく、自分の気持ちや思ったこと、考えたことを整理して、人に伝えること、伝えながら相手と新しい価値を築く対話ができること。これが社会で大切なことだと考えています。文科省の言う「教育課程を地域に開く」を正しく解釈できていないかもしれませんが、学校は以前にも増して、地域のカウンターパートが必要とされています。自分がそこに関われていることに感謝し、地域の子どもを第一に考える存在でありたいと思います。