いま

いま、「これも、コピーライターの視点」というコラムを連載している。目下の話題は「デザイン思考」。課題の発見にはじまり、適切な問題設定と解決の見通し(仮説)を立て、コピーライターがエライのは、そこから「表現」を伴い、または、わたしのやり方だと、顧客を物語の一部として、同時にともに取り組む社員も物語の一部として、巻き込んでいくことです。そこには、人への愛情ややさしさの眼があります。決算書を分析して、「じゃあ、どうしようか?」となると、方向は2つで何かを節約するか、利を生み出すか。前者は税制などにかかわるので会計士や税理士の仕事ですが、そこにも、コピーライターは(わたしは)アイデアや方向性くらいは示せる。後者は、完全にコピーライターの(わたしの)仕事。「営業して顧客を増やしましょう」と言われ、「じゃあ、何をどうやって?」「逆に営業しなくてもいい方法とは」など、コピーライターの視点で解けることは多い。すべてのコピーライターが、とは言い切れないが、少なくとも、わたしは、ということ。


タグ:#CONERI #コミュニケーション #コンサル #言葉と経営 #集客 #こねり #キャッチフレーズ #クリエイティブ #コピーライター #セミナー #人見 #伝える力 #理念 #指針 #広告#香川県産品カタログ

【これも、コピーライターの視点_09】

中西元男氏が、グッドデザイン賞において
デザイン思考を評価したのは、1988年のこと。
岩手県の遠隔診療システムです。

県域が広く、冬になると雪に閉ざされて
行き来もままならない環境特性を持つ
岩手県の県内主要病院を結び、
診断情報をやり取りし、
中央病院の名医が処置の判断をし、
それを離れた地域病院が処置に活かす
通信ネットワークシステムが認定されたのです。

これは、岩手県のもつ気候特性からくる
医療の課題に対して、医療システムとして
その「解決」を促した一つの事例だと言えます。
つまり、課題解決=デザイン思考です。

当時の盛り上がりをわたしは実感レベルで知りませんが、
モノに対するデザイン、
つまり作品主義のデザインから脱したことは
大きな歴史の転換点だったのではないかと想像します。


タグ:#CONERI #コミュニケーション #コンサル #言葉と経営 #集客 #キャッチフレーズ #クリエイティブ #デザイン思考 #人見 #伝える力 #セミナー #理念 #指針

【これも、コピーライターの視点_08】

国内では、デザイン思考を長らく提唱しているのは
中西元男氏だとわたしは理解しています。
御歳80歳近い大御所ですが、
日本では80年代のCIの火付け役でもあり
CIの人と解釈されている嫌いもありますが、
実は、「デザイン」という言葉の解釈を
「作品主義のデザイン」から
「事業・企業のデザイン」「社会・文化のデザイン」へと
思考の領域を広げ、
その着想の定着にご尽力された主要人物。

それは、「グッドデザイン賞」に見ることができます。
おそらく、中西氏は、グッドデザイン賞が
通産省(当時)から民間へと主催が移行したときの
最初の審査委員長を務めておられます。

そのときに、「モノ」におけるデザイン
つまり、プロダクトデザインから、
「コト」に対するデザインへと
評価対象が大きく広がったのです。
デザイン思考を提唱し、
それをグッドデザイン賞において
評価しはじめた第一人者が
中西元男氏だと言えます。


タグ:#CONERI #こねり #コミュニケーション #コンサル #言葉と経営 #キャッチフレーズ #コピーライター #クレド #デザイン思考 #セミナー #伝える力

【これも、コピーライターの視点_07】

昨日は、課題意識や問題の設定について
書きましたが、少し私たちの手元に
話題を戻してみたいと思います。
それは、言うほど簡単ではない、という認識です。

薬の売上以上に、医療制度そのものを
脅かしている問題は何か。
それは、「順守」の問題であると
誰かが「発見」しなくてはいけないし、
「発見」して「発言」しなければいけない。
それが「正解」とも分からないのに、
大方の傾向やデータを分析し
「大いなる仮説」として発言することは
多少の差はあれ、勇気が必要です。
自己肯定感が必要です。

内閣府の調査(平成26年版 
子ども・若者白書(全体版)特集1自己認識 )で、
「自分に満足をしている」という質問で
日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、
フランス、スウェーデンの各国で調査した結果、
日本人がもっとも低くて45パーセントくらい。
あとの国は、低いのが韓国の70%、
アメリカでは9割の若者が
「自分に満足をしている」と回答しています。

つまり、日本の若者は諸外国と比べて、
自己を肯定的に捉えている者の割合が低く、
自分に誇りを持っている者の割合も低いと分析。
これは、「デザイン思考」のベースになる力です。

唯一解にたどり着くことを求められた教育は、
仮説や戦略、見通しといった
正解じゃないかもしれないという着想を
たしかなものにしたり、表現したりする力を
奪っていたのかもしれません。

しかし、これからの世の中は、
絶対的な正解などなく、
大いなる仮説と検証の繰り返しでしか
成長・発展しないのです。
さて、困った、と思いますか?
それとも、楽しい!と歓喜に沸きますか?


タグ:#CONERI #コミュニケーション #コンサル #クリエイティブ #コピーライター #デザイン思考 #企業理念 #理念 #指針 #言葉と経営 #広告#広報 #言葉

【これも、コピーライターの視点_06】

米国パロアルトにあるIDEOで
実際に為されたデザイン思考とは
どのようなものがあるのか。
「デザイン思考が世界を変える」
(ハヤカワ)から一部ご紹介。

デザイン思考の始まりは、
課題に発見/問題の設定にあります。
薬剤メーカーによると、
患者が自分の判断でなんとなく
薬の服用をやめてしまうことにより、
年間、数十億ドルの売上を逃している
という報告があるそうです。

これは、商業上の不利益だけではありません。
患者にとっても、心臓病や高血圧などの
慢性疾患の場合の服用の順守は
命にかかわることです。
また、感染症などの場合は、
患者の自己判断は、感染のリスクに直結します。
薬剤業界にとって、課題は、「順守」にあるのです。

薬の売上を見た時に、
患者の「順守」に課題を見出し、
そして、それはテレビCMなどによる啓蒙
だけでなく、
・病気について教育する
効果的な「方法をデザイン」する
・患者が支援チームのウェブサイトや
看護師のコール・センターに助けを
求められるようにする
なども「デザイン思考」。

大事なことは、
「人を、成長する存在、考える存在」
として扱うことだと書いています。
共感の物語のなかに患者を
入れてしまうのですね。
こういう着想こそ、デザイン思考の好例です。


タグ:#CONERI #コミュニケーション #コンサル #クリエイティブ #言葉と経営 #こねり #キャッチフレーズ #コピーライター #デザイン思考 #伝える力 #理念 #指針