【これも、コピーライターの視点_92】
<思考するということ>
成長し、活況に沸く時代は、
その流れに乗れば企業は
好転し続けたのかもしれませんが、
それが停滞し、逆回転でも始まったとき、
人は、何を考え、どのような手を打つのか?
その手は、もはや対処療法では終わりだ。
対処療法は、ノウハウとも言う。
型の決まったものに自社があてはめられるほど
商売は単純ではない。
それぞれに、それぞれの事情がある。
結局、自分で考えなくてはならない。
しかし、多くの場合、
活況の時代と見比べたときの絶望感が勝り、
思考は停止していることが多い。
自分の頭で考えろと言うことが
いかに難しいことか。
考えるとは何か?
模倣するのではなく、考えるということ。
どこかから役立ちそうな情報を
引っ張ってくるだけとも違う。
思い悩むのとも違う。
思考の髄を触りに行った者に共通するのは
人のせいにしないということではないか。
CONERIの言葉の仕事は、
思考停止を再始動させる
エンジンの火付け役みたいなもの。
無責任に火は点けず、
向かう先を同じく見つめ、
乗組員一人ひとり
の思考が覚醒するまでお付き合いします。
思考は、言葉です。
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【これも、コピーライターの視点_91】
「キャッチフレーズ開発における発想法」
として有名なのは、
"what to say"から"how to say"。
"what to say"は「何を言うか」であり、
訴求する視点の開発を意味します。
"how to say"とは「どう言うか」であり、
開発された視点について
どのように表現するかを考えるもの。
わたしはこの次に
"why to say"の視点が求められている
のではないかと考えています。
これは、企業の存在価値を
言葉で明確化・戦略化するもの。
近代化が達成されたのち、
私たちは模倣すべき未来を失い、
画一的・効率的な思考に代わって、
「デザイン思考」が求められる
時代を生きています。
"what"と"how"の追求を自己目的化させて
広告を作品と呼ぶことを突き抜けるには、
"why to"という問いこそ有効であり、
それは「デザイン思考」そのものだと言えます。
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【これも、コピーライターの視点_90】
雨の土曜。今日は事務所で原稿を書いてお客さんに届けなくてはなりません。打ち合わせや会などで机に向かう時間がまとまってとれませんでしたが、今日は静か。今週は、時間に追われるスケジュールのなかで、企業スローガン、キャッチフレーズ、ボディコピー、それに基づく事業構想の見通しを提案させていただいたお客さまから「これからわたしたちが目指すべき道筋がより明確に見え、何かワクワク感が半端なくこみ上げてきます」というお言葉をいただき、それが言葉の力だと改めてCONERIのやり方や指向しているところに間違いはないと確信したところです。
やっていることは単純で、企業スローガンやプロジェクトスローガンを、商品開発、人事政策/社員教育、営業施策、広告/広報へと素直に展開させ、それぞれの部署の社員の方と、言葉を基軸に二人三脚をしていくということで、それはどの企業でも、ほぼ同じことです。その過程は、企業が市場に向けてコミュニケーションを図るだけでなく、社員に向けて図るコミュニケーションが圧倒的に重要で、いかに主体性を発揮し、社員一人ひとりが主人公となれるかが最大の焦点です。そうなれば、わたしは彼らの良いものを引き出すことが仕事に代わり、それは結局、市場へのコミュニケーションの言葉を開発する最大のヒントとなります。
多くの得意先の経営者は、言葉を起点に、ここまで事業展開として具体的に動かせるものかと驚きを持たれていますが、これが、企業の存在価値を言葉で明確化・戦略化していくということ。明確化とは、企業スローガンやキャッチフレーズなどに言語化/ビジュアル化するということ。戦略化とは、企業活動の4領域、つまり、商品開発、人事政策/社員教育、営業施策、広告/広報へ落とし込んでいくということ。実に明晰で一点の曇りもない状態が、わかりやすさとして共感を得る第一歩となります。
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【これも、コピーライターの視点_89】
<稼ぐ組織は、教育の場>
企業組織というのは、
どこまでいっても「教育」。
雨の日、店に貸し出し用の傘や
乾いたタオルを置いてくれている店。
来客時に、全員が気持ちのいい挨拶の
できる店。
仕事を自分ごととして、主体的に
嬉々として取り組める企業。
一人のある人ができるのは
その人の特性かもしれませんが、
組織全体としてそのような「文化」
を醸成し、定着していくのは、教育。
教育というなら、成長の実感が必要。
ここに幼児教育の専門家、無藤先生の言葉を
引用しますが「つまり、それらは、
気付き・できるようになる機会を増やし、
試し・工夫するよう促し、
やってみたいことを見つけ、
最後まで粘り強く取り組もうと
することを支えることなのである。
そういう活動を増やし、導く」。
とあります。
幼稚園児の成長スパイラルの延長に
企業組織もあるのだとわたしは見ています。
任意の人の集団である企業か、
任意の幼児の集団であるのか。
年齢は違えど、多様な価値観や特性を持つ
人の集団である以上、
そのなかで個人が成長実感を伴いながら
組織も豊かになるという意味では
まったく同じではないか。
企業の場合は、その軸や判断基準に
明確な言葉が必要。
企業の存在価値を明確化・戦略化
していく言葉に照らして、
社員の成長を意味づけ、評価していくのが
管理職の役割。
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【これも、コピーライターの視点_88】
日本中央競馬会のCMを
ついこの間まで、
毎朝みていたように記憶しています。
鶴瓶と数名の若いタレントが出てきて、
「夏競馬」なんてやっていました。
競馬を熱心にやっていた世代を
団塊の世代と見ると(実感ベースですが)
それは、成熟したと思われる市場の一つ。
同様に、遊技場(パチンコなど)も、
メインの顧客層は、高齢化しているのではないか。
メインの顧客であふれかえるとき、
新規顧客を迎え入れる精神的な余裕は
おそらくよほど仕組み化していないと
ないと思われます。
団塊の世代が熱狂する一方で、
それに影響を受けて同じようにする人もいれば、
「自分のものではない」と思い込み、
見向きもしない人もいる。
成熟市場を放置するとは、
このような結果を招くという
わたしの実感ベースの一例です。
もちろん、競馬とか遊戯関係は
文化的、心理的、時代的な背景もあるでしょう。
しかし、それも含めて、
コミュニケーション戦略の及ぶものです。
企業は、商品のコミュニケーションから
企業のコミュニケーションへと
そして、文化・風土へと働きかける。
こういう拡がりが本来は必要です。
いつまでも自社のことばかり語っていては、
御社の軸足を置く市場は、
いつか衰退してしまいます。
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