言葉と経営_その後03
「今日を生きるには、
ぬくもりが必要だ。」
株式会社スワニーさま(香川県)の会社案内に書かせていただいたキャッチフレーズであり、実は、企業スローガンにもふさわしいと自負しています。
この言葉のヒントは、私の記憶の範囲ですが、会社案内を制作するにあたって、社長さんとお話をしているときにあります。
社長さんが、あるスポーツ選手がスワニーさんに宛てた手紙?お礼状?を出してこられ、それは、御社の手袋のおかげで勝つことができましたというよう感謝の内容だったと記憶しています。スキー用の手袋の話だったかもしれません。
それは、手袋のもつ機能性に感謝をした手紙だったのかもしれませんが、私はそれをもっと一般化、普遍化したところにこの会社の価値があり、存続意義にもなり得ると直観したのです。
もちろん、温もりを標榜しても恥ずかしくない素晴らしい社内環境、社員の方々のご対応も直観の理由だったと思います。
商品の持つ価値を、一般化、普遍化する。
そこに生き方、あり方につながる光が見えてきます。
そしてここからはあまり語らないことですが、書き手の生き方や価値意識のないところの言葉は、出てこないというのが、コピーライターの属人的にすぎる部分とも言えます。
私は、常にぬくもりこそ大切だなあと心に留めています。
それに相応しい生き方ができているかは自信がありませんが、このコピーは、スワニーさんの商品とそのお礼状にヒントを得て、生き方、あり方の哲学とすり合わせたところに出てきた言葉です。
#普遍的価値
言葉と経営_その後02
言葉と経営_その後02 @CONERI
「人生も、噛みしめたい。」
このキャッチフレーズは、株式会社シケンさま(徳島県)の会社案内用に書かせていただいた言葉です。
シケンさんは、技工所。歯科医などからオーダーをいただき、インプラントや入れ歯などを作っておられる日本を代表する技工所の一社。
噛みしめるというのは、義歯の大切なポイントの一つ。
また、主に入社希望者に手渡されることが多いという会社案内でしたので、この会社に入ると、いい仕事ができ、休暇も充実し、福利厚生も整っていて、人生までも味わい深いものになると言いたくて、このように書かせていただきました。
当然、このことは、企業運営の一つの指針になるものです。
経営者からすれば、社員一人ひとりが、それぞれの人生を噛みしめてもらえるほど、良い職場環境に高めていこうという方針が立ち、その元に総務部を中心とした具体的な手立てが整備されます。
さらに、商品の品質として、噛み締めることができる義歯というのもアリ。
それは、製造部、営業部の指針となり得ます。
「機能する言葉」というのは、こういうこと。
シケンさんとは、その後、某支店の移転に際し、土地探しのお手伝いに一役買わせていただき、さらにご縁が深まりました。
企業経営の中核にどのような言葉を据えるか。
できるだけ機能する言葉で、社員も経営者も、両者にとって具体的な指針となる言葉を考えることが、非常に大切だと思います。
#機能する言葉
言葉と経営_その後01
企業経営において、数字だけを追うては絶対に到達できない次元がある。
これは、一つの真理。
言葉は意識であり、それは組織全体を貫く精神であり、哲学であり、つまりは理念。
それを、社内的には、社員の日々の学びに、社外的には営業活動や広告、広報に具体的に落としていくことが求められます。
どのような言葉を企業の背骨とするか。
それは、経営判断の一つ。
創業者や経営者の哲学が問われる部分でもあります。
人は、パンによって生きますが、言葉のないところにパンもないものです。
いま、何が起きているのか
人は学習をする。
当然、広告の受け手という「人」も学習をする。
ギミック、小手先の技術などは、もはやお見通し。
共感の時代。
楽しんでいる人、楽しんでいる波長に同調することで、物事は広がりを見せる。
自分がワクワクしながらやっていること。
それが、いかなる広告にも勝る。
そんな時代じゃないかな、いまは。
当然、そういう人の発する言葉は他意がなく、そのままで面白い。
多少のブロークンもご愛嬌。
コピーライターは、そういう人が発信した膨大な情報を、整理して編集することはできる。編集とは価値化。でも、まあ基本は、やっている当事者のワクワクを超えることはない。膨大な広告予算によらず、ありのままで勝負ができる良い時代といえば、良い時代です。
もう一方の軸は、イメージ。
これはやはり人にとって「印象」という意味でついてまわる。
イメージの構築、運用、修正は、やはりいまだにオーダーは絶えません。
しかし、上記と「運用」の時点で交わる。
そこに隠しきれなさ、つまりイメージの破綻のリスクと、イメージの相乗効果の分かれ道が潜んでいます。
クリエイティブ無料相談会(2021.04)
【クリエイティブ×企業経営_無料相談会】
クリエイティブの力で、企業を元気に!面白く!
4月は20(火曜)27(火曜)いずれも10時から15時まで開催。
・経緯
コロナ禍以前の2018年に、香川経済同友会としてメビック(大阪市)の視察をさせていただき、「クリエイティブハブ構想」なるもの香川県に提言させていただきました。主旨は、クリエイターと事業者の恒常的な交流の場をつくることで、相互理解を促進し、事業経営にクリエイティブの力を生かしやすくするプラットフォームづくり。これまで特に目立った動きも認められないので、自分でやってみようと立ち上がります。
・立ち位置
CONERIとしてではなく、大阪市経済戦略局が設置し、公益財団法人大阪産業局が運営するクリエイティブ産業振興施設「メビック」のエリアサポーターとして立ち上がります。メビックでは、10年以上も前から、毎日のさまざまな活動を通じて、仕事や立場にかかわらず、こころが通じあう関係性を大切にし(クリエイターと事業者の恒常的な交流の場づくり)、つながりのその先にある、豊かなクリエイティブが生まれるための環境づくりに取り組んでいます。企業経営にクリエイティブがうまく活かせるのは、その結果にすぎません。
・やること
1) CONERIとして事業者のクリエイティブ相談会を実施していたものを、そのまま継続します。
2) CONERIで解決できることは、自社の存在意義の言語化、その論理的な展開としての宣伝・広告、商品開発、営業施策、社内施策ですが、CONERIの仕事になる、ならないはどちらでも構いません。
3) 相談内容によって、適任と思われるクリエイターの紹介、交流の促進、メビック主催の事業者とクリエイターの交流の機会等をご案内します。仕事になった場合でも、手数料をいただくものではありません。
・こだわり
1) 全国区であること。
→わたしはメビックの「エリアサポーター」として香川県に在住していますが、コピーライターとしてデビューして以来、全国区であることをずっと意識しています。その証拠に、全国区の広告賞の受賞を重ねてきました。エリアの事業者の課題を、全国区のクリエイティブ力で解決に導きます。全国や世界のクリエイターと、オンラインを活用してつなぎます。
2) これまでの枠を疑い、壊す
→わたしはコピーライターを軸足として、大学院の研究生として地域・交通計画の分野で論文を書かせていただき、言葉の力を子どもに授けようと国語・現代文の学習塾「OSアカデミア」を主宰するのみならず、言葉による心の「解放」を肉体でとらえるリラクゼーションマッサージのセラピストなど、とにかくクリエイティブの力が様々な世界で生きることをみずから体験しています。商品の売り文句を書くという旧来のコピーライターの枠に囚われて生きていないことが、ご相談者のお役に立てるものと考えています。
・協力
クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック