広告考04
いま属している研究室は地域・交通計画。交通の世界では、人や車あるいは物資の移動の起点をorigin、終点をdestinationという。トリップとも言う。家から職場まで行くなら、家はorigin、職場はdestination。企業のコミュニケーションも、ODの時代。終点まで導けてはじめて成立するものだ。口コミで知って、ネットで確認して、テレビCMで何度も刷り込まれ、休日に店頭にて購入する。これで、ワントリップが成立。ある人は、先にSNSで知ったものを、勇み足で店に見にいき、すぐに買う。これもワントリップ。トリップという単位でコミュニケーションをとらえるのが大事。そうなれば、単品の評価やコスパはあまり意味がない。ワントリップいくら、である。企業のコミュニケーションの評価指標から変えないといけない。上司にネットは効果あるのかといわれて、正確に回答できる人はいない。部分的に断定する以外、答えようがないが、いまだにそういう質問に苦慮している話をよく聞く。家から職場まで行くのに、徒歩、電車、バス、徒歩とするなら、電車だけを取り出して議論するようなもの。その議論は、都市の交通政策の観点からは意味がありそうだが、トリップする通勤者にはあまり意味をなさない。通勤者は、乗り継ぎが大事で、コミュニケーションでいうと、前後の関係性である。同じことを形を変えて言えているか。論理的整合は、ポイントの一つ。あくまでも、トリップ全体でとらえないといけないということだ。
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広告考03
字が小さくて読めないと言われれば、読めるように大きくすることが親切というものだ。難解で理解しづらいと言われれば、できる限り文章を平易にすることも新切だ。しかし、企業のコミュニケーションにおいて、その親切が裏目に出る場合がある。明確なターゲット設定がぼやける場合である。簡単に言えば、若者向けと高齢者向けでは、文字サイズは自ずと変わって問題ない。(ユニバーサルデザインというものがあるが)。知に挑むような文章であっても、そういうターゲットに対するそういう性質の広告なら問題はない。どこにターゲットを置くかによって、すべては変わる。それが曖昧であれば、すべての要望を飲むことになり、焦点がぼやけて、結局誰にも届かないものが出来上がる。誰も幸せにならない。字が小さいと指摘をした当の本人だって、言ったことさえ覚えてもいないことだってある(そんなもんです)。優れた制作者の初志貫徹は我儘ではない(こともある)。多数決は標準化でしかないこともある。目に留まらないと意味のない企業のコミュニケーションにおいて、標準化はどっちでもいいことのはずだ。
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広告考02
世の中は、閉じていないか。ネットの台頭で世界はつながったかのように思われたのもつかの間。膨大な情報に人は疲れていると仮定する。SNSなどのコミュニティは、広がっているようで、閉じているとも仮定してみる。その信頼は、いまや金で買える。「いいね」の数は、金で買える時代だ。その市場規模は100億ドル単位らしい。コミュニケーションは金になるというのは、アメリカのアドバタイジングが日本に輸入された時からわかってはいることだが、金と信頼は、なかなか相性が悪いのかもしれない。何をどうすれば伝わりますかという企業からの問いに対して、こうだ!という決定打は一つではない。複数あり、その順序があり、それぞれに出すべきコンテンツは違う。どこまで考え抜いても、情報の受け手は飽和していて、疲弊して、内に向こうとする。防御本能もあるのだろう。しかし、企業は伝えたい。この折り合いをつけるのは難しい。難しいが、何とかしたい問題だ。
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広告考_01
人は単純ではない。何を見てお電話されていますか?
通販などでよくある質問。
今日の折り込みとか。折り込みを見て、ネットで検索して確かめて、または、日頃からSNSに流れてきている商品写真を思い出し、信頼の置けるあの人が使っていたことを思い出し、良い口コミを見ても、その問いにはチラシと言うだろう。面倒だからだ。そんな愚問をしてはいけない。広告効果は、それほど単純ではない。
愚問はやめて、気持ちよく買い物をしていただければ、それがイチバン。
チラシの効果を知りたいのは上司だけだ。若い部下の方が、ホントのことを直感している。
さらに、知ったところで、ガッカリするだけだ。
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【コピーライターにはどんな注文が来ているのか!?_その4】
企業には、節目があります。コピーライターは、節目に呼ばれることがあります。新しい経営ビジョン実現に向けて、コーポレートブランディングを加速させたい。そのための活動計画および組織・機能の検討を主導してくださいというオーダーがありました。
何度も書いていますが、「言葉と経営」は企業活動における4つの領域、つまり、「見せ方」「営業施策」「商品開発」「営業展開」の4つの領域において、すべて言葉で解決できることがあります。活動計画は、この4つの領域それぞれに立て、その運用支援を二人三脚で行っていきます。コンサルですか?と言われれば、そうとも言えるし、コンサル以上に表現やアウトプットの精度や機能性に優れていると自負しているコピーライターです。
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