CONERIの変遷
変遷なんて大袈裟な言葉かもしれませんね。創業当時は、広告代理店さんや印刷会社さん、ウェブ会社さんによくお声がけをいただいていました。このおかげで、香川県でこの仕事をやっていく環境認識みたいなものができたと感謝しています。
次に、事業者との直接取引を目指すようになりました。代理店さんが間に入らず、直接企業の課題を整理し、解法をご提案し、計画し、実行していくスタイルができてきました。今はこのスタイルのみですが、単発の依頼から、年単位、3年単位、などの長期に渡る二人三脚のスタイルが定着してきたのが昨今です。
課題のないところに仕事は発生しない。これは、近年の真理の一つです。いま取り組ませていただいているお仕事の一つには、ブランドの若返りを図りたいという明確な目標と、その取り組み後の評価指標を設定してからお仕事に着手しています。購買層の変化や売上の変化などが指標の例となります。
コピーライターという仕事は、アメリカの新聞広告における仕事のスタイルが主に日本に伝わってきている印象ですが、新聞という媒体にかかわらず、言葉が経営課題の解決に貢献できることはまだまだあるというのが、取り組んでいての感想です。その意味で、代理店とか印刷会社というメディアバイイングや印刷という行為を抜きに、純粋に「言葉と経営」に向き合えることは、非常にやりがいがあり、ご理解いただいている企業の方には感謝しかありません。有難うございます!
現在のCONERIについて
現在のCONERIは、言葉の力を信じる経営者や社内広報チームの方々と二人三脚でさせていただいています。それぞれの抱えておられる悩みや課題はさまざまです。
・ブランドを若返らせたい
・今のメインの顧客層より10歳下の方に響くようにしたい
・新商品のネーミング、ブランド構築のお手伝い
ざっくりというと、このような問いかけに対して、言葉を起点としてできることを計画し、相談しながら実行しています。
起点は言葉で、その後、必要に応じて、デザイナーさんやウェブ会社さんを得意先にご紹介をさせていただき、チームを組んで取り組むというのがCONERI のやり方です。テーマや得意に応じたさまざまなスタッフィングが可能です。
「言葉と経営」という拙著のタイトルが示す通り、起業経営には数字と両輪を成す言葉が必要で、その流れの中に、デザイン(視覚的表現)やウェブ(視覚的かつ機能的)が求められると考えています。もっとも川上に来るべきは、言葉です。
発想力
石原慎太郎氏が逝去され、生前を振り返るVTR の中で「最近の政治家は発想力がない」とおっしゃっておられた。政治家のことはともかく、発想について思うところを少し。
発想力は、自分で試行錯誤しながら、思考している人の次の一手だと感じています。ですから、人のやっていることを模倣している段階では、それは生まれない。模倣は模倣で良くて、それは学びの段階です。学んだ上に築くのが進歩であり、その進歩に貢献するのが独創です。発想とは、進歩とか独創にかかる言葉だと私は思っています。
発想力がないというのは、まだ模倣の段階か、模倣で満足しているか、のいずれかの状態を指します。20年近くコピーライターをやっていると、ある日突然コピーライティングを仕事にしたという人を見かけます。業界の人口が増えることは良いことであり、繁栄にもつながると思っています。問題は、模倣の先に彼らがいけるのかどうか。もちろん、それは私自身の課題でもあります。
誰もが模倣から入る。私も師匠の模倣から入った。しかし、社会的背景の変化に伴い、同じことだけをやっていても存在意義が薄まっていく状況にあって、コピーライターの芯を強固なものにしつつも、貢献できる社会との接点を微妙に変えていく必要がある。そのあたりが発想力の問われるとことです。模倣で飯が食えるうちはいいんです。問題は、その先。発想力が問われる場面が誰にでも等しく訪れる。そこで独創的な展開をする人に、今とても興味があります。ということは、私自身も、そうありたいと願っているのだと気づきました。
仕事のやり方から大事
取引先の2社からの話題がそれぞれデザインの相談になり、デザイナーさん探し。デザイナーさんとお話をしていく中で対照的な気づきがあり、それは経営側にも大切な視点であると思いましたので備忘録的に。
・デザインの根っこは、言葉の根っこは、と同じで、「そもそもそれで売れるのか」という議論。
・例えば、企業側で、テレビとネット、カタログ(紙媒体)にこれだけ予算を投下しようと考えている。その表現を考えて欲しいとデザイナーさんに依頼した時に、そもそも売上目標を達成するために、そのテレビとネットは有効か?というオリエンを疑ってみる視点。
・本来、メディアのプランニングは広告代理店さんの仕事であったが、フリーランスのデザイナーさんやコピーライターさんにも、そのような視点を持っている人が増えている。マスメディアという言葉の衰退とともに、またはウェブの台頭とともに、そうなったイメージ。数字のエヴィデンス以上に生活者実感としての議論も納得感を持って受け入れられている印象ゆえ。
・で、どうすればもっと費用対効果の高いやり方ができるのか?例えば、紙媒体なしでは売り切れないのか?などの議論が始まる。
・そこの部分から関わりたいデザイナーさんと、それらが整った状態で、表現(意匠デザイン)において自分の能力を発揮したいというデザイナーさんのそれぞれがおられる。
・せっかく企業の販売促進に関わるメンバーが増える機会なので、どのようなかかわり方でお願いしてチームに入っていただくかは、大事。
・その人の持ち味を200パーセント生かすも殺すも、かかわり方のすり合わせ次第。
抱負2022
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
「お客さまを愛し、愛することを仕事とする」。
これが今年の抱負です。
どのように愛するのか。
これは実力に関することになりますが、守破離の「離」の季節がようやく訪れた実感を持っています。
これまでは、コピーライターの師匠に倣い、先人の築かれたものに忠実に、同じようにやろうとしていた。
しかし、何年も前からそうありたいともがいていましたが、ようやくその倣った土台の上に自分なりの一歩を踏み出せそうな予感がしています。予感とは兆し、小さな手応えです。
今年は、型を破ることで、お客さまの課題にとびっきりの解法をお示しさせていただき、お客さまの利益の最大化に言葉の観点から貢献する。そんな一年にします。あれこれお声がけいただくままに手を広げてきましたが、それがようやく実を結ぶ年となりそうです。変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。