【これも、コピーライターの視点_96】
週末の長いポスト。わたしは、常に「近代化」というキーワードを意識して仕事をしています。近代化ということに基づいてコピーライターととらえると、それは、大量生産・大量消費をマスメディアの広告において支えた職業であったということが言えます。その時代ではもはやないので、その時代と同じことをしていたのでは、コピーライターの存在意義はとても限定的なものになってしまうと考えています。
限定的なものになってしまいますが、コピーライターの会得しているノウハウは、「課題解決」という言葉に集約できます。売れないモノ、広めたい自社の存在を、どのような言葉で、どのような道筋で届けると良いのか。こういう問いに対して、常に解決の提案を求められる仕事をしつづけてきているのがコピーライターです。いまの言葉で言うと「デザイン思考」ということになるのでしょうか。
近代化の流れに生きているのは、コピーライターだけではありません。すべての企業が、その流れのなかにあります。近代の合理主義と自我の問題に決着をつけることができないまま、万物は、ロシアの思想家G・グルジェフの言うところの「進展的衰退」と「回帰的進化」の均衡点を探るべくせめぎ合っています。そのなかで、コピーライターの仕事をわたしは「企業の存在価値を言葉で明確化・戦略化していく役割」であるととらえて実践しています。「明確化」とは、企業スローガンやキャッチフレーズ、ネーミングなど、言葉で明示すること。「戦略化」とは、企業活動の全領域「商品開発」「営業施策」「人事/教育」「広告・広報」をその言葉の軸で貫き、具体的な企業活動/プロジェクトに展開し、それを企業と二人三脚で実践・支援をしていくこと。
不確かな時代にあって、拠り所となる言葉を常にさわりながら、全社員が主体的にイキイキと生きることができる状態が、そのめざすところです。この時代におけるコピーライターの役割を、わたしはこのように考えて実践しています。まだ特殊な取り組みかもしれませんが、二人三脚できる企業が少しずつ増えてきているのは、うれしいことです。今日は土曜ですが、このような取り組みに興味を示していただいた企業とお話できる機会に恵まれました。有り難いことです。あと20年で300社と二人三脚できるようになれば、後進のコピーライターの新しい境地が見通せるのではないかと真剣に考えています。全国からお声がけください。お待ちしています!
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【これも、コピーライターの視点_95】
<勇気をもって、書いたり話したりしよう>
「考えています」というのは
パフォーマンスではなく、
どこで見えてくるかといえば、
それは「表現」しかありません。
話す、書く、行動するなど。
わたしは、コピーライターとして
常に書くことが求められてきました。
打ち合わせをしても、
漫然としか分からなくても、
次回までには、何かを言葉で表現しないといけない。
そういう立場で仕事を10年以上もやってくると
何が鍛えられたかというと、
表現力以上に、思考する力が鍛えられた。
思考のはじまりは、ものを見る眼
というのがあって、まっすぐに見るのか
批判的に見るのか、ということ。
それに、表現するには、
ネガティブをポジティブに変換する力も
おのずと鍛えられます。
考えることを主体的にさせたいと願う経営者は、
社員に「表現」までを求めると
思考がおのずと見えてきます。
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【これも、コピーライターの視点_93】
【これも、コピーライターの視点_92】
<思考するということ>
成長し、活況に沸く時代は、
その流れに乗れば企業は
好転し続けたのかもしれませんが、
それが停滞し、逆回転でも始まったとき、
人は、何を考え、どのような手を打つのか?
その手は、もはや対処療法では終わりだ。
対処療法は、ノウハウとも言う。
型の決まったものに自社があてはめられるほど
商売は単純ではない。
それぞれに、それぞれの事情がある。
結局、自分で考えなくてはならない。
しかし、多くの場合、
活況の時代と見比べたときの絶望感が勝り、
思考は停止していることが多い。
自分の頭で考えろと言うことが
いかに難しいことか。
考えるとは何か?
模倣するのではなく、考えるということ。
どこかから役立ちそうな情報を
引っ張ってくるだけとも違う。
思い悩むのとも違う。
思考の髄を触りに行った者に共通するのは
人のせいにしないということではないか。
CONERIの言葉の仕事は、
思考停止を再始動させる
エンジンの火付け役みたいなもの。
無責任に火は点けず、
向かう先を同じく見つめ、
乗組員一人ひとり
の思考が覚醒するまでお付き合いします。
思考は、言葉です。
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【これも、コピーライターの視点_91】
「キャッチフレーズ開発における発想法」
として有名なのは、
"what to say"から"how to say"。
"what to say"は「何を言うか」であり、
訴求する視点の開発を意味します。
"how to say"とは「どう言うか」であり、
開発された視点について
どのように表現するかを考えるもの。
わたしはこの次に
"why to say"の視点が求められている
のではないかと考えています。
これは、企業の存在価値を
言葉で明確化・戦略化するもの。
近代化が達成されたのち、
私たちは模倣すべき未来を失い、
画一的・効率的な思考に代わって、
「デザイン思考」が求められる
時代を生きています。
"what"と"how"の追求を自己目的化させて
広告を作品と呼ぶことを突き抜けるには、
"why to"という問いこそ有効であり、
それは「デザイン思考」そのものだと言えます。
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