【これも、コピーライターの視点_04】

モノの売買という経済行為のなかに
自己の有用性や自社の存立価値を
いかに見出していくのか。
このことに、「正解」はありません。
妥当だと思われる考えや
精度の高い仮説にとどまる世界です。

このように、自分が考えたことを口にするのは、
勇気が必要です。
わたしは、コピーライターとしてデビューしたとき、
そのことにまっさきに気づきました。

学校で教わった学習には
常に正解があり、
正解にたどり着いたことを発表するのは
恥ずかしさはありませんが、
唯一解のない問いに対して、
「自分はこう考えます」ということを口にすることは
たいへん憚られた記憶があります。

思えば、それも、「知識・技能」の学習の
申し子みたいな話です。
思考・判断・表現の時代に入ったとは言え、
わたしたちには、自分の考えを表明する
勇気が必要です。

この場合の考えとは、仮説に近いもので、
しかも企業においては、
その突拍子もなさが時として
組織を救うことがある。

模倣する未来を失っている私たちは、
常に、仮説と検証の繰り返しが要求されます。
これを、デザイン思考という言葉で
整理することができます。
それについては、また次回。


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【これも、コピーライターの視点_03】

教育が変わっているということは、
社会が変わっているということです。
当然、コピーライターだって、
変わらなくてはいけません。
いけない、ということはありませんが、
時代のなかで有用な仕事をするには、
おのずと変わらなくてはいけない。

そもそも、コピーライターは
アメリカから来た職業です。
アメリカのアドバタイジング、
それも、新聞広告の華やかな時代に
相応の地位を確立したと聞いています。

当時、アメリカは、
大量生産・大量消費時代。
大量につくられたマスプロダクト(もう死語?)を
大量に売りさばくために、
マスメディア(もう死語?)に載せる広告において
貢献したのが、コピーライター。

その時代に築かれたコピーライターの
言葉を開発するノウハウは、ベースとして、
そのうえに、あたらしいコピーライターの
あり方をわたしは見ています。

具体的には、
モノの特長や魅力を語る言葉
(知識・技能の言葉)を活用し、
対話によって心を揺さぶり、
本質に迫る対話を通して、
言葉にできずにこぼれ落ちた思いをすくい上げ、
ものの見方・考え方、価値観、概念の
質的転換をはかり、
気づき(自己との関係でとらえ直すこと)を与え、
「生き方・あり方」に迫る言葉を開発すること。
また、それを通して、組織や社会、世界の
関係性の再構築への道筋を示すことこそが、
これからの時代における
存在意義だと考えています。

要は、モノの売買という経済行為のなかに
自己の有用性や自社の存立価値を
いかに見出していくのか
というもっとも事業の核となるところに
迫ることではないかということです。


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人事評価との連携が大事

事業の軸となる言葉が定まれば、
その言葉の方向に組織の舵を取るなら、
そこは人事評価と連動しなくてはなりません。

その場合の評価は、
方向的目標と到達目標の2つの系統が必要。
到達とは、具体的な、
できれば数値的な基準で評定すること。
営業の数値目標的なもの。

方向とは、良さの進展を見定め、
そちらに伸びていっているかを多様にとらえ、
改善を図ること。
その場合は、上司が社員の日常をよく観察し、
意味づけ、価値づけをしてやることが大事。

どの方向で意味づけ、価値づけするかは、
経営判断。言葉の力が、経営の隅々にまで
行き渡るには、そこまですることが必要。


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【どこで、誰が、何を言うのか】

この3つの掛け算が
広告の効果を決める大きな要因。
どこで、とは、メディア。
テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、ネットなどなど。

誰がとは、企業が、ということが大半ですが、
誰という以上、企業であれば、
人格が規定されていることが望ましい。
キャラクターや女優さんに言わせるというのは
一つの手段です。

何を言うかは、意外とボケやすい。
たった小さな名刺サイズの広告でも、
そこに何を1行で言うのかは、
社長でさえ、迷いに迷う。

ワンメッセージ、ワンコピー。
これが、伝わる原則です。
ということは、引き算する発想が大事。
詰め込みは、百害あって一利なし。


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【コピーライター最前線】

他のコピーライターと名乗る人は、どのようなことを考えているのかよくわかりませんが、わたしは、言葉の質的な変化をいかに遂げるのかということを考えています。それは、「できることを言う言葉」から「価値観やあり方を言う言葉」への変化です。後者の言葉を持つ企業が、いま元気です。

「できることを言う言葉」では、もはや差異を見出すことは難しくなりました。商品やサービスの違いを言う言葉ですが、そこにはよほどの新規性がない限り、人は動かなくなりました。もう数十年前のことになりますが、プリウスでさえ、そうでした。ブレーキを踏んで発電する!? ハイブリッドという新しい仕組みも、その技術「できること」は二番手で、そのクルマを開発するに至ったストーリー性(地球環境など)に人は共感をしたものです。

どんな未来を見つめているか、どんな価値観をもっているのか。そのあたりを常に発信し、企業のパーソナリティ(人柄、性格、人格)をはっきりとさせることが、事業の継続に不可欠な時代ですが、その言葉を持つには、「自己有用感」が根底に必要です。とりわけ、わたしたちは、教育を量でとらえられ、できることを増やしていくという視点で評価を受け続けましたから、「知識・技能の言葉(自分は、これができます!という言葉)」は得意でも、こう思います、こう考えています、こういう仮説をもっています、という表現は苦手な人が多い。それは、経営者とて例外ではありません。仮に経営者がその言葉を獲得しても、社内に共感を得て、社員の腹に落としていくには、困難極まりないのが実情です。

大量に生産されたモノを、マスメディアの広告に載せて売るときに、売りコトバに貢献したコピーライターのあり方は、相対的にその意義が縮小し、「できることを言う言葉」から「価値観やあり方を言う言葉」への変化をうながすところに、事業者と二人三脚をしながら貢献していくコピーライターの姿が、わたしのめざすところです。

著書「言葉と経営」のおかげで、あたらしい事業者と出会えることも増え、わたしはそのたびに、このような話を展開し、経営者はもとより、社員一人ひとりの言葉の変化をいかにうながすかを実践してくようになっています。そこから、広告に定着する言葉も生まれてきます。そのとき、その広告は、社員にとって他人事ではなく、自分のこととしてとらえられ、社内から社外への共感の波紋が無理なく広がっていきます。この手の話は、お取引のない企業さまでも、可能な限り、議論させていただく機会を持ちたいと思っています。お話を希望される方は、ぜひご連絡ください。info@coneri.co.jp(有限会社CONERI/人見訓嘉)


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