言葉と一緒にあるもの
わたしたちが、国語の読解問題で
満点を取ることが一般的でないという事実は、
日常生活にあふれている言葉が
客観的に注意深く読み取られている
ということは、ほぼ期待してはいけない
ということを意味しています。
この事実に諦めを抱く人は、無口になり、
挑む人は、饒舌になる。
言葉は、万能ではない。
限界があるのだという論説は、
言語論では有名はことであり、
わたしたちは、その限界を認め、
それでもなお、伝えたいと願う。
伝えたいと願う様子で
わかりやすいのは、子ども。
幼稚園や学校であったことを
機関銃のように話す姿は、
人が言葉を繰り出す自然な欲求を
見ているようで、気持ちのいいものです。
言葉は、それ単独が記号的にあるのではなく、
伝えたい気持ちや
働きかけたい熱意という
外向きのものと、
それを支える自己肯定感、
つまり自分への愛の深さを
目に見えるかたちに置き換えたものと
見るのが、実態に近いように思います。
言葉を整えることは、
気持ちを整えること。
だから、言葉だけくださいという
愛のないオーダーは、
あまり真剣に付き合いたいと思わなくなりました。
気持ちを通い合わせる関係性のなかで
初めて、実感を伴う言葉が生まれてきます。
欲しかったのは、言葉だったンだ!
「わたしは、言葉が欲しかったのだ!」
という気づきと驚き、納得感を手にされたのが、
吉田建設さん(香川県)の事例。
当初、
「写真や数字で表現できるデザインや性能だけでなく、
その概念(コンセプト)を伝えるにはどうしたらいいか」
を悩んでいました。
その悩みは、「30年日記 30の幸せ」という
新築事業におけるキャッチフレーズの開発で
見事に解決したのです。
社長のお話を何回か聞くうちに・
明らかに、社長の思いは「30年」にある。
だったら、それを軸に、
前面に出せる言葉を考えよう、
というのが、わたしの着想の第一歩でした。
新築から30年というのは、
実は、建て替えやリフォームを考える
一つの節目だそうです。
その30年に、建設会社として責任を持つ覚悟であり、
施主にとっては、30年間、毎年、
その家を舞台に、かけがえのない幸せが
丁寧に積み重なっていきますように
という思いが込められています。
写真やデザインで表現し切れなかった思いは、
そのキャッチフレーズで見事、言えたのでした。
「最初は求めているものが言葉だとは
夢にも思っていませんでしたが、
共感を得るコミュニケーションの手段として、
言葉は欠かすことのできないものでした」と
吉田建設さん振り返っています。
言葉を持つ企業は、元気な企業です。
体温が上がる言葉
「うわっ! 体温が上がった!!!」
という歓喜は、NPO法人わははネットの
理事長・中橋惠美子さんのお言葉。
15周年に向けたあたらしいクレドの制作過程で
聴かれた言葉でした。
その言葉は、
5月半ばに同法人の設立記念パーティでお披露目
ということで、いまは伏せますが、
とにかく、15年やってこられた実績のうえに立ち、
次の見通しをスタッフの一人ひとりが
実感できる言葉で表現したものです。
コピーライターは、代表の思いを
代弁するにすぎません。
何となく足の裏がかゆいという時に、
靴を突き破って、「ここでしょ!」
と言い当てる感じでしょうか。
そりゃ、ズバリ掻かれた方は
この上ない快感!!!
「言葉によって体温が上がった」
ということは、「言い得ている」ということであり、
それは、言葉によって動く元気を得た、
働きかける対象が具体的になり、
何をしていいかが分かった、という
ニュアンスに近いと思います。
人は、言葉にできないと動けない
ということが理屈抜きにあるのですね。
人を元気にしたり、勇気を与えたり、
前向きな気持ちにできる力が
たしかに言葉にはあるのですね〜。
さあ、一週間のはじまりです!
人ごみのなかでも新入社員の区別が
まだつく4月の第3週目の月曜です。
まだ会社に入ったばかりのころのわたしは、
その会社の扱う商品知識を頭に入れるのに
精いっぱいでした。
わたしは、広告営業という仕事で社会に出たので
その会社の扱う広告メディアの知識、
印刷の知識などを研修でみっちり叩き込まれ、
そんなことばかりに意識がいっていました。
そんな状態で営業に出ても、
頭にあるのは、商品のことと、売上目標の数字。
お客さまのことなんて、ちっとも考えてなかった
二十歳過ぎの自分を思い出して
笑ってしまえるのは、イマだからですね。
やはり、その商品を購入することで
お客さまの安堵や歓びが感じ取れないと
売る側としては一人前とは言えない。
同様のことは、言葉にも言えるのです。
企業理念という企業の最上位に位置づく言葉は、
自社の商品やサービスを通して
お客さまにどのような価値を創造/提供するのか
ということが言葉になったものです。
誰かの歓ぶ顔、明るい表情、やさしい気持ち、
楽しい気持ち・・・
そういうものが、自社の商品やサービスの
向こうに実感を伴って見えてくれば
その人は、その企業をある意味で
代表していると言っていいのでしょうね。
月曜のあさ、
商品やサービスの向こう側にある
お客さまの笑顔を想像しながら、
エンジンをかけていきましょうか!
コピーライターと一緒につくるクレド
経営者と社員が一体感を持てると、
会社はうまくいきます。
では、その一体感はどうやれば
出てくるのか?
意志のある大の大人の集まりの真ん中に
社長のワクワクがあれば、
それは、何よりの大きなマグマとして
組織を求心していく力になりますね。
ワクワクは空気感ですから、
できればそれを明文化しておきたい。
明快な言葉にしておくことで、
どのスタッフが見ても、
どのお客さまが見ても
ねらいとするとことが
ブレずに伝わっていく。
しかし、
ワクワクを言葉にしようと構えると
よく見られる例としては、
地域貢献とか、共感共苦など、
ありきたりの四字熟語にすりかわる不思議。
漢字の文化が・・・と
言っている場合ではありません。
社長のワクワクは、
社長独自の固有のものであるならば、
生まれてくる言葉にも
オリジナリティの輝きがあってこそ、
求心の力は高まります。
その明文化したものを
「クレド」と言います。
「クレド経営」とは、理念や指針、
つまり企業の精神を経営の軸とする
経営手法のことです。
人材育成、人材採用、人事評価、
サービス向上、ブランディングなどに、
クレドは、まっすぐに力を発揮します。
3ヶ月間、90日で一緒に完成を
見に行きませんか。
漠然とした思いに
一筋の光を与え、
最高の言葉でお応えします。
➡コピーライターと一緒につくるクレド