【これも、コピーライターの視点_15】
一方的に「提供」する、もしくはされる関係。
これは、メディアで言うと、
テレビ・新聞・雑誌・ラジオなどが挙げられます。
いわゆるマスメディアです。
マスメディアは、いまだに全国にわたって
情報を届ける効率は抜群です。
とりわけ、テレビは力がなくなったと言われながらも
それ以上の力を持つメディアは
なかなかないのではないかと思います。
しかし、わたしたちは、明らかにテレビの視聴時間が
減っています。代わって、スマホの画面を
見つめている時間が長くなっています。
ネットは、双方向メディアとも言われ、
この共感の時代を支えています。
一方的に「提供」されることを好まない
というのは、ネットの台頭からも
言えることではないでしょうか。
わたしたちは、「参加」したい。
参加して共感したら、「拡散」もしたい。
とにかく、商品やサービスをめぐる一部に
自分を含む物語を想像するようです。
しかし、共感できないものには、
一切の時間・コストを割かない。
これも、いまの時代の傾向だと言えます。
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【これも、コピーライターの視点_13】
共感は、コンセプトを立てて、
それをめぐる物語を構築することで生まれます。
商品や企業をめぐる物語には、
多くの人が気持ちを乗せて情緒的に
揺さぶられるものです。
苦労話や自分と同じ困りごとに端を発する
事業の起こりなどは、その一例です。
わたしは、さらにその先にまで
踏み込むことが、コピーライターとして
求められていると考えています。
その先とは、共感の言葉を軸とした
共感の「枠組みづくり」です。
枠組みとは、誰もが共感ベースで
参加できるフレーム、プラットフォーム
みたいなものです。
企業における社員研修に、
いまやこの着想は欠かせません。
ただ、経営者の都合を押し付ける教育では
社員は動かない。
コピーライターに社員研修の依頼が来るのは
こういうところにその理由があります。
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【これも、コピーライターの視点_07】
昨日は、課題意識や問題の設定について
書きましたが、少し私たちの手元に
話題を戻してみたいと思います。
それは、言うほど簡単ではない、という認識です。
薬の売上以上に、医療制度そのものを
脅かしている問題は何か。
それは、「順守」の問題であると
誰かが「発見」しなくてはいけないし、
「発見」して「発言」しなければいけない。
それが「正解」とも分からないのに、
大方の傾向やデータを分析し
「大いなる仮説」として発言することは
多少の差はあれ、勇気が必要です。
自己肯定感が必要です。
内閣府の調査(平成26年版
子ども・若者白書(全体版)特集1自己認識 )で、
「自分に満足をしている」という質問で
日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、
フランス、スウェーデンの各国で調査した結果、
日本人がもっとも低くて45パーセントくらい。
あとの国は、低いのが韓国の70%、
アメリカでは9割の若者が
「自分に満足をしている」と回答しています。
つまり、日本の若者は諸外国と比べて、
自己を肯定的に捉えている者の割合が低く、
自分に誇りを持っている者の割合も低いと分析。
これは、「デザイン思考」のベースになる力です。
唯一解にたどり着くことを求められた教育は、
仮説や戦略、見通しといった
正解じゃないかもしれないという着想を
たしかなものにしたり、表現したりする力を
奪っていたのかもしれません。
しかし、これからの世の中は、
絶対的な正解などなく、
大いなる仮説と検証の繰り返しでしか
成長・発展しないのです。
さて、困った、と思いますか?
それとも、楽しい!と歓喜に沸きますか?
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【事業に言葉は要るのか?】
事業にコピーライターを必要とされる順番は、
おそらく、会計士や税理士よりも
後のことが多いはず。
納税の義務があるので、
事業者はどうしても、
数字のことに神経を使います。
それは、それで一つの真理。
しかし、数字は、過去と現在の管理。
現在の社員や消費者の気分をグリップし、
未来を切り拓くのは、言葉の力。
デザインやウェブという
目に見えるカタチは、
言葉の後に与えられるのが
自然な流れだとわたしは整理しています。
コピーライターが
事業やプロジェクトと
初期段階で関わる方が無理なく進む。
言葉の仕事の立場に
バイアスのかかった見方かもしれませんが、
客観的に見ても、そう思います。
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【コピーライター最前線】
他のコピーライターと名乗る人は、どのようなことを考えているのかよくわかりませんが、わたしは、言葉の質的な変化をいかに遂げるのかということを考えています。それは、「できることを言う言葉」から「価値観やあり方を言う言葉」への変化です。後者の言葉を持つ企業が、いま元気です。
「できることを言う言葉」では、もはや差異を見出すことは難しくなりました。商品やサービスの違いを言う言葉ですが、そこにはよほどの新規性がない限り、人は動かなくなりました。もう数十年前のことになりますが、プリウスでさえ、そうでした。ブレーキを踏んで発電する!? ハイブリッドという新しい仕組みも、その技術「できること」は二番手で、そのクルマを開発するに至ったストーリー性(地球環境など)に人は共感をしたものです。
どんな未来を見つめているか、どんな価値観をもっているのか。そのあたりを常に発信し、企業のパーソナリティ(人柄、性格、人格)をはっきりとさせることが、事業の継続に不可欠な時代ですが、その言葉を持つには、「自己有用感」が根底に必要です。とりわけ、わたしたちは、教育を量でとらえられ、できることを増やしていくという視点で評価を受け続けましたから、「知識・技能の言葉(自分は、これができます!という言葉)」は得意でも、こう思います、こう考えています、こういう仮説をもっています、という表現は苦手な人が多い。それは、経営者とて例外ではありません。仮に経営者がその言葉を獲得しても、社内に共感を得て、社員の腹に落としていくには、困難極まりないのが実情です。
大量に生産されたモノを、マスメディアの広告に載せて売るときに、売りコトバに貢献したコピーライターのあり方は、相対的にその意義が縮小し、「できることを言う言葉」から「価値観やあり方を言う言葉」への変化をうながすところに、事業者と二人三脚をしながら貢献していくコピーライターの姿が、わたしのめざすところです。
著書「言葉と経営」のおかげで、あたらしい事業者と出会えることも増え、わたしはそのたびに、このような話を展開し、経営者はもとより、社員一人ひとりの言葉の変化をいかにうながすかを実践してくようになっています。そこから、広告に定着する言葉も生まれてきます。そのとき、その広告は、社員にとって他人事ではなく、自分のこととしてとらえられ、社内から社外への共感の波紋が無理なく広がっていきます。この手の話は、お取引のない企業さまでも、可能な限り、議論させていただく機会を持ちたいと思っています。お話を希望される方は、ぜひご連絡ください。info@coneri.co.jp(有限会社CONERI/人見訓嘉)
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