イマドキの「社員研修」
命令に従順な社員 ➡ 自ら思考する「デザイン思考」のできる社員
1. ねらい
社員一人ひとりに対しては、経営者の願いやねらいを理解し、そこに合理的、協調的にアプローチできる主体的な姿勢を育む。全社としては、経営陣と従業員が一体となれる社風の醸成。
2. ねらいの解釈
生きることと働くことの一体感が求められている時代です。つまり、仕事をとおして、スタッフ一人ひとりの人生の目標が達成されるという状態が望まれています。そこには、「自己の成長実感」が伴います。
自己の成長のはじまりは、「理想」や「夢」があります。次に、「現実」を知り、理想が「今ここ」にあるために、いま出来ることから始める。つまり、現実と理想とのギャップを埋めるために何をどうすれば良いのかという具体的な行動が、日々の営みとなってきます。そこには、試行錯誤やトライ&エラーを寛容できる企業風土が求められます。
社員教育は、あくまでも「企業理念」に基づいて行うことが基本です。企業のめざす方向に添って、従業員各人の自己の成長実感がくるというのが原則です。企業の成長の過程のなかに自分の役割や居場所があり、それが、自分の夢や理想とどのように関連しているのかを実感できることが、仕事が他人事にならない第一の要件。社員教育とは、このような視点に基づいて、「仕事を他人事にしない! 自分事にする!」ための納得感を伴う「理解」と「気づき」に基づく、内発的な思考と行動(主体性の発揮)を促すものです。
本プログラムは、まず経営者と教育の基礎となる経営理念/経営者の思いを固め、それに基づき、従業員の主体的な思考力・判断力・行動力を高めつつ、その成長過程を経営者は観察し、リーダーの役割を学び取り、経営陣と従業員が一体となる社風を築き上げるものです。
3. ゴールイメージ
社員教育を、社内外のコミュニケーション戦略に生かし、「周辺から固める」ことにより、社員の意識の変容の持続性を高め、業績の向上へと結びつけるところまでを見通して、ゴールイメージを、経営者と共有したうえで着手します。
- 経営の中枢に働きかける
→ 全員参加の「経営計画書」の策定と、経営計画発表会の開催 - 顧客等、社外のコミュニケーションに生かす
→ スタッフの主体的で快活な姿勢や決意/想いを掲出した「社員紹介」等を、既存のホームページに掲出(改訂)
4. 教育を通して養える資質・能力
- 企業理念/経営者の思い・考えを理解する
→【素直に受け入れる力】
自ら思考し、判断し、行動できる主体的な人材を育成するというねらいのはじまりは、企業理念という憲法への理解に基づきます。ここを正しく理解し、共感できることが教育のはじまりです。 - 従順に従うのではなく、意見を明確に持つ力を高める
→【自己決定の場を与える=責任の発生=主体の醸成】
意見を言うには、まず与件(企業理念)についての自分の考えをしっかり持たなくてはならなりません。このことは、主体的に物事を考える力を育むことにつながります。 - 論理的思考力、判断力を高める
→【自己決定の場を与える=責任の発生=主体の醸成】
自分の意見を主張する時には、その場の感情的な意見ではなく、合理的な理由がなければ相手に受け入れられません。また、相手の考えを正確に理解するためには、相手の論点をつかみ、自分の考えと比べて聞くということが要求されます。このような根拠や理由をはっきりさせて意見を述べたり、相手の意図を考えながら聞いたりする姿勢は、論理的思考力(他者意識の芽生え)、判断力を養うことにつながります。 - 聞く力を高める
→【自己決定の場を与える】【共感的人間関係を育成する】
相手の意図をとらえながら聞くことが、その話題に対する自分の考えを深めたり、新しい考えを発見したりすることにつながります。話し合いでは、発言者の意見とその論拠を理解することが求められます。その後、集団においては共感的な姿勢を見せないと、考えは「価値意識」にまで高まりません。価値意識にまで高まらなければ、意識の変化から突き動かされる行動の変化には結びつきません。 - 話し合いながら多様な考えや価値観を受け入れ、一つの方向性を見出す力を育む
→【自己肯定感】【肯定的な社風の醸成】
話し合いは、当たり前のことですが、黙っていては始まりません。口を開くには、「自分の考えは誰かのためになるかもしれない」という自己肯定感、肯定的な社風が必要です。
5. 指導観
本教育において、企業理念に基づいた各人の人生観をたしかなものとするため、次の3つの点に留意した指導を行います。それは、先述の「教育を通して養える資質・能力」と論理的整合 / 一体感のあるものです。
① 自己決定の場を与える
- 企業理念に対して、共感できる人材であって欲しいという願いは、無条件に達成されるものではなく、批判的意見や疑問などをクリアしていくなかで醸成されるもの。そのためには、賛成・反対いずれかに関わらず、自分の意見・考えを持たせることが重要です。
- 討論で自分の意見が言えるために、キーワードや要点等をメモしながら聞く姿勢を取らせます。
② 自己の存在感を与える
- 話し合いの時間は、司会、記録、時間管理、主張(反対側、賛成側、どちらでもない)係を設定して、みなで協力しながら、それぞれの役割を、責任を持って果たせるようにします。
- 調べたり、考えたりする宿題は、小グループで協力して行えるように配慮します。
- 発表の際は、良い点や発見をその場で具体的に指摘し、成長実感を与えるよう配慮します。
③ 共感的な人間関係を育成する
- グループ活動を取り入れ、他の人から学びあったり、互いに高めあったりする場面を設定します。それは、そのまま日常の業務における姿になることを意図しています。
- 聞く人は、他の人の良さや見るべき主張について振り返らせ、相互評価を通して、自分の考えを深める場面を設けます。
6. 費用(50名程度までの場合)
セミナー料(全10回)860,000円(928,800円(税込))
経営者(陣)との振り返り、リーダーの役割を考える(毎回/1回あたり)1時間 10,000円(10,800円(税込))
交通費はJR高松駅(香川県)から公共交通による運賃相応(非課税にて後日請求)
宿泊費は顧客負担にて、顧客手配
ゴールイメージの「2」顧客等、社外のコミュニケーションに生かす」については、ウェブの制作費等が別途となります。
講師プロフィール
人見 訓嘉(ひとみ くによし)
1975年香川県高松市生まれ。コピーライター、クリエイティブディレクター。
大阪大学大学院工学研究科交通・地域計画学領域招聘クリエイター。企業や組織のコミュニケーションの相談・構想・企画・制作・運用を支援する「有限会社CONERI」代表取締役。
受賞歴として、宣伝会議賞、朝日広告賞、C-1クランプリ(東京コピーライターズクラブ)ほか。
公的な仕事に、高松市広報アドバイザー(高松市)、高松市中心市街地活性化協議会委員(高松商工会議所)など。
著書に「言葉と経営」(文芸社)、論文に「スローモビリティを活用した観光体験が住民の意識・行動に及ぼす影響と創造性涵養効果」(都市計画学論文集)ほか。
詳しい資料をご用意しています。